帯結びのはなし

きもの好きな姉と義母のおかげで沢山きものを持っています。今は年に2、3回くらいしか着ませんが、お正月は必ず着るようにしています。そして、娘にも小さい頃から叔母、姉、私のお下がりを着せてきました。それに加えて私の母も義母もただ一人の孫娘のために沢山晴れ着を作ったので、成長とともに身丈に合った新しいきものもできました。中学生になると身長が私に追いついたので、私の成人式のきものを初めて着せてみました。母が私に振り袖を作ったときは随分家計的には苦しかったそうで、親子2代にわたって受け継がれたきものに母は大層感慨深そうでした。

 娘時代、私が振り袖を着るときは大抵は母が着せてくれました。その当時は実家に帯結びの本がいっぱいあって、私も一緒になって結び方の“研究”をしたりしました。ーといっても、母が結ぶのはいつも「ふくら雀」なのですが。当時は親戚の結婚式になると母は姉と私と二人分の着付けを担当するため支度に長い時間が掛かっていたのを今でも覚えています。私も娘に着せるときは是非自分の手でと思っていましたが、なるべく簡単に短時間で着せたいというのが本心です。

 私自身はここ10年来きものを着るときには、姉から教えてもらった予め「お太鼓」の形を折り紙のように折りたたんで整え、それを背負うタイプの“巻くだけ“作り帯を愛用していました。これには「二重太鼓」バージョンもあるのですが、そこでふと思ったのが振り袖にも応用できないか?ということ。今回は「ふくら雀」バージョンを考えてみました。難点は体型や柄の出方など色々な要素があるため一概にどの帯にも適用はできないのですが、ひとまず実際にこのお正月に折り畳んで娘に着せ付けましたので、載せてみます。今後、改善の余地があるかと思われますのでご意見をいただけると、よりよい帯結びになっていくかと思います。